2016年10月14日金曜日

榎本武揚VSハリー・パークス

どうもこんばんは、道化師です。

さて、本日は日本史の話題から一つお話をしていきましょう。

道化師「榎本武揚さんのお話をしていきたいと思います。」

榎本武揚「函館・五稜郭戦争で最後の最後まで幕府の代表として新政府に戦いを挑み、北海道に新しい共和国を作ろうとした人。そして、新政府に負けた後、今度は新政府の外交官・農政などの様々な方面で活躍した人物。」

松井先生「私が最も尊敬する人物の一人です。」

さて、話は、榎本武揚さんが北海道に新政府(幻に終わった蝦夷共和国を作ったところから話がスタート。)

つまり、日本では、新政府(交戦団体)と蝦夷共和国(交戦団体)という2つの勢力が日本の中に存在するということになるが、そうなると困るのが英国。

英国としては、一刻も早く日本と通商を行いたい。

ところが、榎本武揚の作った蝦夷共和国が邪魔で仕方ない。

そこで、パークスは、こうする。

蝦夷共和国においては、

1,交戦団体としては認めない。

2,しかし、事実上の政権としては認める。

ということになる。

パークス「これを蝦夷共和国に送れ。蝦夷共和国だとふざけるな。蹴散らしてくれる。」

ところが、この榎本武揚、この時代に万国海律全書を全て読みこなすという怪物。

さて、ここからパークスと榎本武揚の戦いが始まる。

フィクションです。創作ですのでご注意ください。

パークス「やぁ、榎本くん」

榎本武揚「どうもお初にお目にかかります。」

パークス「どうかしたのかね。」

榎本武揚「今日は折り入ってお話がありまして・・・」

パークス「なにかね?」

榎本武揚「蝦夷共和国は交戦団体とは認めないと・・」

パークス「英国としては中立の立場なのでね・・・交戦団体とは認められないね。」

榎本武揚「事実上の政権ということはお認めになられる?」

パークス「まぁ、それぐらいなら書面に書いたとおりだよ。」

榎本武揚「それでは、万国海律全書に乗っ取りまして、事実上の政権としていかのことを主張させていただきます。

パークス「!!!!!」

事実上の政権としては、権利はないけれども主張はできます。

そこで、

榎本武揚「1,北海道の海上における臨検(積み荷の検査)」

「2,貿易をしている港における臨検」

3,貿易をしていない港における臨検

さて、皆さんここでお分かりになるだろうか?

これが法律を使った戦いということです。

一件、貿易をしていない港における臨検のなにが意味があるのかと思うでしょう。

法律による喧嘩とは、重箱の隅をつつく。

パークス「1については、英国の民間船を理由なく臨検される権利はない。プライバシーの侵害である。」

「2については、明治政府に許可を取り、積み荷の中身を申告したうえでの貿易をしているため、何らの問題はないはず。」

「3については、・・・・・・。」

榎本武揚「3について拒否されるということは、英国は、密貿易(秘密裏に違法な貿易を行うこと)を承知しているということにならないか?これは、万国海律全書によれば訴訟になるはずだと思うが?

パークス「密貿易をしているという証拠にはならない。」

榎本武揚「なるほど、それでは、この件は、フランスの新聞報道官にお伝えしてもよろしいということですね。」

パークス「いや、その前に我々英国は、蝦夷共和国を事実上の政府と認めた覚えはない。」

榎本武揚「なるほど、英国は、蝦夷共和国を事実上の政府と認めたわけではないのに、パークスのサイン入りで、”事実上の政府と認めた”ということですね。パークスさん個人の意向で」

パークス「・・・・・」

榎本武揚「どうなんだ!!!」

パークス「蝦夷共和国は、事実上の政府である。」

榎本武揚「貿易をしていない港での臨検は?」

パークス「・・・・・認める。」

榎本武揚「臨検の権利を認めるということは、交戦団体と認めるということでよろしいか?」

臨検を認める=交戦団体ということが万国海律全書には書かれている。

パークス「認めざるをえない。」

パークス「くっそーーーーあの榎本ーーーー。」

道化師「とまぁ、こんなやり取りがあったかどうかは分からないが、この榎本武揚さんが、今の近代国家の礎を作った。外交の天才ですね。こんな人になって欲しいですね。」

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