さて、本日は、池田勇人はこの劣勢とどのようにして挽回したのかということについてお話していきましょう。
演説がうまかったわけもなく。
マスコミ対応がうまかったわけもなく。
言葉遣いがうまかったわけでもない。
ではなぜ、池田勇人という人は、選挙で圧勝できるのか?
ただ一つだけ言うのは、なぜだかしらんが、演説も下手・ウソを付くのも下手・喧嘩にも弱い・英語もしゃべれない・挙句の果てには、日本語も怪しい。
たった一つ恐ろしい才能があった。
どんな凶暴な人間であっても、どんな賢い人であっても、どんなに池田勇人のことが嫌いな人であっても彼の言葉を真剣に聞いてしまうという不思議な才能があった。
そんなエピソードがこちら。
新聞記者が恐る恐る。池田の悪口や、暴言を書いた記事を持っていくと・・・。
池田勇人「これ、おもしろい。」
選挙のマスコミを交えてのパーティでのこと。
食事のあまりを、
池田勇人「君たちは、時々、こうしてパーティで食事出来てるからわからんかもしれんが、こういう食べ物は滅多なことじゃ食べられないものなんだぞ!!!余った分は、詰めてあげるから、ちゃんと奥さんや子どもたちに分けて上げなさい。」
そして、最後の最強の策がこちら。
聴衆「馬鹿正直の池田・馬鹿正直の池田。」
池田勇人「私は口は悪いが、嘘はつきません。いや、つけません。所得倍増計画を実行します。」
聴衆「そんなの嘘だろ。」
池田勇人「いいえ、本当です。私は、失言をしたことは多々ありますが、嘘をついたことがありますか?」
聴衆「・・・・。(確かに)」
池田勇人「あなたの着ているワイシャツは800円です。これが、ソ連だと5000円です。アメリカだと200円。アメリカのワイシャツの4倍日本はしますが、我々の所得はアメリカの8分の1しかありません。これでは、ダメなんです。」
池田勇人「そこのお母さん。卵を今日いくつ買いましたか?3個でしょう?子どもを含めて家族何人いますか?6人でしょう。所得が倍増になれば、一人一個の卵が買えるようになるじゃないですか。所得倍増計画というのはそういうことなんです。」
(二時間後)
聴衆「万雷の拍手」
池田勇人「私は嘘をつきません。」「経済のことは池田にお任せください」「私は口は悪いが、嘘はつきません。」
このキャッチフレーズで選挙は、大勝してしまいます。
道化師「ちなみに、池田勇人が、まず、選挙のためにどのようなことが自分に必要かと考えたことがあったそうです。」
池田勇人「俺は、いまいち、みんなからのウケが悪いな?なんでだろう?そうだ、服が偉そうに見えるんだな。スーツを変えよう。メガネも良くない。もっと、スマートに見えるメガネにしよう。」
道化師「ということで、口の悪さではなくて、見た目を変えようとしたそうです。」
というわけで本日の結論
道化師「どんなに、取り繕った上手な演説よりも、魂からでた本当の言葉で行った演説のほうが、人に伝わる。」
道化師「コミュニケーション障害とかで現代では、悩む人がいるかもしれませんが、言葉を取り繕うよりも、真剣に発する言葉も大事なのかもしれません。そうすれば相手に伝わることもある。」
”真剣さは何よりも武器になる。”