2015年10月4日日曜日

結論ありきで実験すると失敗する


 どうもこんにちは、道化師です。

 さて本日のテーマは、結論ありきで実験の文章を書くと失敗するからお送りしていきます。

 よく言われていることは、科学者や論文を書くときに注意して書かなければならないことですが、皆さんよくやってしまいます。思い込みというやつです。

 どんなに注意していてもどんなに神経質に文章を書こうとしても、自分の持っている思い込みによって、実験結果を変えてしまうというものです。

 例えば、スウェーデンの福祉国家は素晴らしいという考えを持ってしまっている人は、福祉国家についての素晴らしい部分しか意図的に調べませんし、逆に素晴らしくないと思っている人にとっては、素晴らしくない資料ばかりを集めてしまいます。

 ここが重要なところになっていきます。

 さて、本日は、道化師の読解の重要なテーマですが、これが理系の実験にも当てはまります。

 例えば、その人が玉ねぎは体にいいという考え方を持っていたとします。その人は、必ず、玉ねぎがガンに有効に働くという実験をしますが、この場合、玉ねぎが友好であるという実験結果が得られるまでその実験を繰り返してしまいます。

 これは人間の性なのかもしれません。道化師にはよくわかりませんが・・・

 道化師の例を挙げて説明させていただきますと、私もこれに近いことがありました。教育と経済成長における相関性・もしくは、教育と先進国との関係性について調べたことがありました。

 もちろん、道化師は、あまり先入観を持たないタイプの人間なので、片っ端らからデータを採集して、エクセルにぶち込んで、結果を見てみました。

 そうすると結果は驚くべき結果になります。

 教育と経済の発展の関係性は、負の作用を及ぼす。つまり、教育と経済発展の関係性は何もないという結果になりました。流石に私もびっくりしたんですが・・・

 もし興味のある人は、大学に行ってから確かめてみるといいかもしれません。教育と経済発展には何の関係性もないということ。教育と経済成長にも何の因果関係もないということになりました。

 そこで、道化師くんは、これをそのまま、大学の論文で発表します。

 「経済成長の発展と教育には何の関係性もないことがわかりましたので、高度な教育を受けているものがいるからといって優遇せずに、ものを作ったり工場での労働者の賃金を上昇しより優遇するべきである。」という結論を某大学で言ったら、反対の大合唱。

 そんなことはないはずだ。とか、発展途上国には学校が必要だとか、我々がやっていることは無意味なのかとかそんなわけ無いだろう。とかとか

 これが、非常に重要なことなんです。

 人々は、見たい真実しか見ないし、見たくない真実は、検証すらしない。

 思い込みだけで実験の結果を捏造してしまうという本質的な動物です。

 で、読解の文章で大事なことは、これらを防ぐ方法もキチンと書かれています。

 それは、二重盲検法(にじゅうもうけんほう)と呼ばれる方法。

 まず、実験の際に被験者(実験される側の人間)にこれが何の実験なのかを秘密にしておきます。その上で、空っぽの薬を飲む人と、薬の中身が入っている人との違いを調べるという方法。

 しかし、これではまずい点がひとつあるということで考えだされたのが、二重盲検法。

 先ほどの例では、実験内容を知ってしまっている人がいる。そう、実験者である。実験者は、どのような実験内容をしているのか知らされているので、必然的に、中身の入っている薬を飲んでいる患者の方を重点的に調べあげる。その結果、誤差と思えるような数値の差にも敏感に反応してしまったりする。

 これを、防ぐために作られたのが二重盲検法。

 実験者に今なんの実験をしているのかを教えない。さらに、実験されている患者にも何を実験しているのかを教えない。その状況で、実験者が気づいたことを報告してもらう。

 これで、ある一定程度の思い込みが防げるような、実験結果がわかるということになるよね。

 というわけで、結論としては、たとえデータとして出てきた結果であっても、その人の考えていることに左右されてしまうことは、よくある。

 道化師「さっき書いた、教育とは経済成長と何の関係もないという話を、某塾長は大学で知った時から、いつも思っていることは、勉強だけできても社会の役にはなんにも立たないから、それ以外のこともキチンと出来る人間になって欲しいんだそうな。」

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