2016年5月8日日曜日

データの読み方(本当の国民生活の姿)

どうもこんにちは、道化師です。

さて本日も、データから読み解く読解問題をテーマにお話していきたいのですが、今回のテーマも世帯の状況について考察していきたいのですが、実際の入試問題では、本当のデータもしくは、恣意的に抽出されたデータを基に出されるパターンが非常に多いので実際には、どのデータでどのように出してくるのかというのは、実際のあなたが受ける大学の小論文などを見ないと全くわからないという状況になります。

さて、それでは、本日は、ネットで見る貯蓄額。グロスで見る貯蓄額というテーマでお送りします。

グロスとネットという言葉は一概には言い表すことはできません。

資料の元になるものが何のデータを取り扱うのかということによって、わからなくなりますので。

そこで、今回は、貯蓄額ということになるので、グロスで見る場合と、ネットで見る場合の違いをまずご説明します。

道化師「ていうか、大学受験するなら、グロスとネットの違いぐらい知っておいて欲しいと思うのですが、まぁ、知っている人はほとんどいないでしょう。」

グロスで見る貯蓄額:今持っている、資産。つまり株・貯金額・貯蓄性の保険などのプラスの資産だけを足しあわせていったもの。すなわち、絶対にゼロよりも小さくはならない。

ネットで見る貯蓄額:今持っている、資産から負債(住宅ローン・キャッシング)などを引いたものの合計の金額。つまり、赤字になる可能性がある。

世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の額(二人以上の世帯)(負債:住宅ローンを持つ世帯)


年齢
20代
30代
40代
50代
60代
70代以上
持ち家率
49.8%
78.2%
89.3%
90.1%
94.3%
93.3%
年収
471 619 763 863 641 525 
貯蓄残高
230 
533
879
1286 
1825
1652
負債
1317
1754
1687
1231
809
667
純粋な貯蓄
マイナス
1087万
マイナス
1221万
マイナス
808万
プラス
55万
プラス
1016万
プラス
985万



篠崎くん「へー。20代の人って、年収471万もあるのかぁーーー。ぜんぜん大丈夫じゃないですか?」

道化師「というふうに早とちりしますよね。このまず、データの定義を考察しないと全く意味が無いんですよ。」

道化師「まず、このデータは、負債を全く持っていない人は含んでいません。つまり、住宅ローンを持っている人限定に調査した結果と言っていいでしょう。そして、このデータでは、住宅の価値を考慮に入れていません。全て負債としてカウントしています。そして、一番大事なことなんですが、ここで書かれている、年収は、世帯の年収だということをお忘れないようにしてください。」

篠崎くん「でも、20代で年収471万も世帯であれば十分でしょう。」

道化師「おいおいおい。このデータの恐ろしいことをもう少し考えてみてよ。まず、このデータが示しているのは、二人以上の世帯に限定しての話だ。そして、マイホームを購入している人限定の話。そして、20代で世帯主になっている人の話。」

篠崎くん「どういうことだってばよ?」

道化師「じゃあ、まず行くよ。20代で世帯主になっているということは、20代でそれなりの稼ぎがあり、配偶者がいるってことだよね。20代で結婚している男性は?」

篠崎くん「さぁ?」

道化師「25%しかも、マイホームのローンが組めるということは、比較的安定したもしくは比較的安定した仕事につけるということになるよね。つまり正社員かもしくは公務員の可能性が高いよね。」

篠崎くん「なるほど。なるほど。」

道化師「まぁ、もちろん。親が金持ちで、負債を持っていなくてとか起業家でマイホームを一括で購入するという強者はいるかもしれないが、そういう特殊な人達はここで除いていている。」

篠崎くん「事業をする人は、松井先生のように、創業資金を国の金融機関から借りたりする人もいるよね。」

道化師「それも除外されている。」

道化師「つまり、ここで、記されているのは、正社員になり、公務員になり、マイホームを買い子どもができているそして、自立しているというような比較的、安定した仕事をしている人たちを中心に抽出していることになるね。」

篠崎くん「いわいる普通の生活ってやつですね?」

道化師「君はいったい何時代の話をしているのですか?いわいるエリートの20代のことですよね。そして、このどちらかと言うとエリート層を集めてきても半分近くは共働きということになりますね。それで、ようやく470万となります。いかにしんどいかわかった?」

篠崎くん「ちょっと待ってください。今、私が言ったことって普通の生活だったような気がしますが・・・」

道化師「だから、いってんじゃん。失われた20年をなめるなよ。もれなく30年目に突入しようとしているのに・・・」

道化師「さて、本題に移りますが、上記のようにネットによる貯蓄を見ると、わかると思いますが、多くの人は生活に余裕がないと言っておりますが、それは当然の結果になります。50代までの人は、資産構成を見ると、貯蓄よりも負債のほうが多いということになります。したがって、生活は苦しくなっているということです。さて、この2回のデータを見てあなたは何を感じ取ったでしょうか?」

お年寄り「な~にいま住宅ローンで苦しくても、後々給料は高くなるので、問題ないって・・・」

道化師「いや、だからそうじゃないって・・・」

若者「お年寄りはけしからん。年金なんかを削減するべきだ。」

道化師「いやーだから、それやると大変なことになるんだよね。それでは、またのきかいに。というわけで本日の結論。上記のデータを見て何を考えるのかは、あなた次第です。」

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